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【開催報告・藤が丘】『春にして君を離れ』(アガサ・クリスティー)|名古屋で朝活!!朝活@NGO

 

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

今月の藤が丘はアガサ・クリスティの『春にして君を離れ』が課題でした。8名で開催。

探偵も出てこないし殺人事件もありません。ほぼ、主人公の回想のみで進行していく心理ドラマです。

 

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旅の途中、砂漠の中の宿泊所に足留めをくうことになった中年の女性が主人公。幸せな家族との過去を回想するうちに、今までフタをしていた記憶が次から次へとよみがえり、これまでは素晴らしい家族に囲まれた良い妻、母親のつもりだったのに、まったく違ったのでは、、、

と、夫や子どもとの関係、だらしない知人、落ちぶれた友人へ印象の変化など、どんどん心理的に追い詰められる怖さがあります。

自らの自己欺瞞や、家族や友人との見えなかった溝に、徐々に気がついていく様子は、人ごととは思えなくなる迫真の心理描写です。やや後味の悪いラストまで、クリスティの濃厚なドラマにどっぷりと浸れますよ。

タイトルは、シェイクスピアの美しいソネットからの引用。どろりした内容との対比がなんとも、、、

ちなみに英国での出版が1944年、終戦直前なんですね。

宗教の規範がくずれ、階級意識にも揺らぎが起こった時代。価値観が目まぐるしく変わるという点では、現代にも通じるものがあるのかと。

ディスカッションでは、もう色んな角度から登場人物を掘り下げることができて、気づきの多い読書会でした。特に、夫はいい父親?被害者?あるいはズルい人?なんなら悪の根源?、とか評価がかなり分かれるところ。どうでしょうね?

主人公だって、エゴのかたまり?毒親?他人の気持ちが分からない人?むしろ1人だけしっかり者?かなり普通?見方は人それぞれかも。

紹介していただいた本のバラエティもいいですね!参加いただいたみなさん、ありがとうございました!

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春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)