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名古屋で朝活!! 朝活@NGO|朝食読書会・もくもく勉強の会

朝活@NGOのブログ。 名古屋駅(名駅)・伏見・栄・藤が丘のカフェで「朝食読書会」「もくもく勉強の会」を定期的に開催しています。 ビジネス書著者を招いてイベントも開催。 朝時間を活用して、素敵な1日に!

【開催報告】『「無知」の技法 Not Knowing』(スティーブン・デスーザ、ダイアナ・レナー)|名古屋で朝活!!朝活@NGO

 

「無知」の技法 Not Knowing

「無知」の技法 Not Knowing

 

 

 ゴールデンウィーク明け最初の朝食読書会は『「無知」の技法 Not Knowing』(スティーブン・デスーザ、ダイアナ・レナー)が課題でした。イギリスで「Management Book of the Year 金賞」を受賞した本です。

 「知っている」と思いこむことのデメリットや、「知らない」ということから広がるアイデアや可能性など、物事を考える上のでのヒントになる短めの学術論文やエピソードが多く紹介されています。ジャンルもビジネスにとどまらず、芸術、文学から医学、スポーツや冒険まで幅広く取り上げていて、ボリュームの割に最後まで飽きずに読み進められる一冊でした。

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管理人の読書メモ

P.31 自信過剰はバイアスとなり、判断力を狂わせる。自分の判断や能力をポジティブに受け止めすぎてしまうのだ。50年以上かけた研究の結果によると、人間はほぼあらゆる面で自分を「平均以上」とみなしたがる傾向がある。

P.62 メディアや世間は、政治家に『市井の人』であることを望みます。(中略)しかし同時に、あらゆる政治要綱の細部の細部に至るまで、すべて熟知していることも期待します。奇妙なパラドックスなんです

P.116 モトローラが考案した「シックス・シグマ」は、製造工程改善のテクニックやツールをまとめた品質管理戦略だが、これはまさに環境をコントロールしたい人間の欲象の実例だ。単純な問題または煩雑な問題(既知の未知)には有効だが、今日のビジネスが抱える問題の多くは複合的(未知の未知)である。

P.116 ビジネスに安定した予測可能な結果を出せると思い、未知の未知に対して常に同じシステムで「失敗のない活動」ができると思うのは、幻想にすぎない。

P.132 「わからない」と認めるからこそ、ものを学べるのだ。知らないという闇は、新たな光を呼びこむ自由と余白とを差し出している。

P.162 知識、技術、競争力のような、「ある」を追究する能力(ポジティブ・ケイパビリティ)と、沈黙、忍耐、疑い、謙遜のような、「ない」を受容する能力(ネガティブ・ケイパビリティ)を組み合わせたときに、初めて新しい学びと創造の余地を生み出せる

P.190 科学者にとって、『わかりません』は、『私は自信があります』と同義語です。自信がない人間だけが、知っているふりをする必要があるのですから。

P.194 自分が世界を見ているレンズは主観的でゆがんでいると認め、決めつけずに問いかけていく習慣をもつのは、リーダーとなる者に欠かせないスキルだ。

P.251 会話(カンバセーション)とは、人と人が既存のアイデアを交換する行為である。たいていは自分の見解を主張する。それとは対照的に、対話(ダイアローグ)のプロセスでは、既存の発想や見解をいったん「保留」する。答えを準備せずに、ただ相手の言葉をじっくりと聞く。

P.307 自分の弱さ、失敗、欠陥を心の奥底で、何の言い訳も条件もなしに受け止める。自分でも理解できないことがあっても、嫌悪感を抱かない。そのためには自分自身に対する率直さと懐の広さが必要だ。自分に対する思いやり(compassion)が必要なのだ。

P.326 私たちには好奇心がある。不思議に思う気持ち、胸を高鳴らせる興奮、これから切り拓いていく可能性がある。そして最後にきっと気付くのだ――それこそが、知らないという姿勢で対峙することによって得られる本当の贈り物なのだ、と。

感想など

 ディスカッションでは

・仕事上、「知らない」と言うことが許されない状況も多い。
・特に起業は、全く予測がつないない状況を楽しめない人は向いてない。
・「知らない」で許される範囲が人や場合によって違うので、相手の質問や要求をしっかり理解しないと問題が大きくなる。
・「無知」というより「未知」の持つ可能性を感じる本のように思えた。

など。

 変動的(Volatile)で、不確実(Uncertain)で、 複雑(Complex)で、曖昧(Ambiguous)な現代のことを、頭文字をとってVUCA(ヴカ)と表現するらしいのですが、そうした情勢では既存の知識や考え方が使えなかったり、かえって邪魔になる事例など、どちらかというと失敗例が前半で多く紹介されます。

 後半では、常識や思い込みをゼロベースで見直すことの有用性、「知らない」ということを受け入れる余裕、対話の重要性など、ポジティブな事例も多いので、読んでいて勇気づけられるし納得感があります。

 上下関係の固定化した閉鎖的な関係や組織には、特に有効なヒント、アドバイスが多く紹介されているのではないでしょうか。イギリス人による著作ですが、むしろ日本企業・組織にとって良い指摘・助言だと感じました。

 

「無知」の技法 Not Knowing

「無知」の技法 Not Knowing

 

  『無知の知』と言えばこちらも古典も。

ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)

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