名古屋で朝活!! 朝活@NGO|朝食読書会・もくもく勉強の会

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【開催報告・藤が丘】『父の詫び状』(向田邦子)|名古屋で朝活!!朝活@NGO

新装版 父の詫び状 (文春文庫)

新装版 父の詫び状 (文春文庫)

今月の藤が丘、朝食読書会は『父の詫び状』(向田邦子)が課題でした。7名で開催、ご参加ありがとうございました!


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誰かに思い出話を語るような文章は、どこか懐かしい家族の風景だったり、転向先での学校での出来事だったり。


想像をかきたてるタイトルも秀逸で、「父の詫び状」から「あだ桜」「ねずみ花火」、最後の「卵とわたし」まで24篇。


特に、短気で厳しく、ちょっと理不尽なところもある父親との関係が、ユーモアのせいか、とても温かく感じられます。


たとえば、日頃は恐いばかりの父親が、祖母の通夜に訪れた社長を前に、

《祖母の棺のそばに坐っていた父が、客を蹴散らすように玄関に飛んでいった。式台に手をつき入ってきた初老の人にお辞儀をした。》

《私達に見せないところで、父はこの姿で戦ってきたのだ。》

(『お辞儀』より)


サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」より少し前の、戦前から戦後の風景が、直接経験していない世代にも伝わってきます。


日常の何気ない一コマを、こんなにも楽しく優しい記憶として言語化する向田邦子さん。素敵な方だったんでしょうね。


新装版 父の詫び状 (文春文庫)

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新装版 あ・うん (文春文庫)

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阿修羅のごとく (文春文庫)

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