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【開催報告・栄】朝食読書会『現代の経営(上)』(P.F.ドラッカー) |名古屋で朝活!!朝活@NGO

 

ドラッカー名著集2 現代の経営[上]

ドラッカー名著集2 現代の経営[上]

 

 今月の栄は『現代の経営(上)』(P.F.ドラッカー)が課題でした。ドラッカーがこれを書いたのは1954年。アマゾンにも「企業に働く者の使命、責任、役割、仕事の方法を説く経営学最高の古典」と紹介されている名著です。
 R.グラットンの『ライフシフト』に代表されるように、生き方、働き方の根本的な見直しが必要な時代こそ、仕事や組織の本質を見つめるドラッカーは読み返す価値があるのではないでしょうか。

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管理人の読書メモ

P.10 事業のマネジメントは、勘や才能で行うものではない。マネジメントを構成する諸々の要素は、分析し、体系的に組織し、普通の人間ならば誰でも学習できるものにすることができる。

 

P.28 技術の変化は、人の労働を余剰になどしない。逆に、高度の教育を受けた膨大な数の人たちを必要とする。

 

P.46 企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である。市場は、神や自然や経済によって創造されるのではなく、企業によって創造される。

 

P.67 われわれの事業は何かを知るための第一歩は、「顧客は誰か」という問いを発することである。「現実の顧客は誰か」「潜在的な顧客は誰か」「顧客はどこにいるか」「顧客はいかに買うか」「顧客にいかに到達するか」を問うことである。

 

P.69 4,000ドルのキャデラックを買う者は、交通手段を買っているのか、それとも富のシンボルを買っているのか。言い換えると、キャデラックはシボレーやフォードと競争しているのか、それともダイヤモンドやミンクのコートと競争しているのか。

 

P.186 報告や手続きは、重要な領域で成果をあげるうえで必要なものに限定すべきである。すべてを管理しようとすることは何も管理しないに等しい。

 

P.199 ベヴァリッジ卿の言葉、「凡人をして非凡なことをなさしめる」ことが組織の目的である。いかなる組織といえども、天才に頼ることはできない。

 

P.200 つまるところ、組織の文化とは、仲よくやっていくことではない。大切なことは、仲のよさではなく、仕事ぶりのよさである。そもそも、仕事から得られる満足や、仕事上の関係から得られる調和に基づかない人間関係は、うまくいっているように見えても貧しい関係であって、組織の文化を腐らせる。

 

P.262 人に教えることほど勉強になることはない。それどころか、人の成長のために働かないかぎり、自ら成長することはない。経営管理者が自らに対する要求の水準を高めることができるのも、人を成長させようとする努力を通じてである。

 

感想など

 今回は上巻のみが課題でした。せっかくの名著でしたが、参加者お一人。半分なので、週末でも読める程度のボリュームなのですが、印象のハードルが高かったのかも。

 経営者はもちろん、部下を持つ人やフリーランスの方が読んで十分に役立つ内容です。仕事の哲学とでもいうような本質論は、いつまでも変わらないものです。
 「第3章 マネジメントの挑戦」には、小見出しに「オートメーションとは何か」「オートメーションと人間」という節があって、AIやロボットの実用化が進む今でも、人材育成やマネジメントの必要性を説くドラッカーの先進性を感じます。

 

「現在起こっている技術の変化は、人の労働を余剰になどしない。逆に、高度の教育を受けた膨大な数の人たちを必要とする。頭を使って計画を立てる経営管理者や、新しい機械を設計し、生産し、維持管理し、操作する技術者を必要とする。」
「技術の発展はマネジメントの領域を拡大する。今日では、一般従業員とされている人たちの多くがマネジメントの仕事を行わなければならなくなる。」

 

 個人的には「第5章 事業とは何か」「第11章 自己管理による目標管理」「第13章 組織の文化」あたりにたくさん付箋を貼りました。特に、人と組織について語られる13章は、ドラッカーが後に出版する大著『マネジメント』にも通じるところがあり、たくさんメモを取りました。

 

「凡人をして非凡なことをなさしめることが組織の目的である」
「真摯さはごまかしがきかない。一緒に働けば、特に部下にはそのものが真摯であるかどうかは数週間でわかる。」

 

 組織の本質をついた言葉が満載です。下巻も「人を雇うということ」「人事管理は破綻したか」「最高の仕事のための人間組織」など、目次を読むだけでも内容が楽しみ。下巻は来月の課題にします。

 

ドラッカー名著集3 現代の経営[下]

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