【開催報告】『伝わる・揺さぶる!文章を書く』(山田ズーニー) |名古屋で朝活!!朝活@NGO
今朝の朝食読書会は『伝わる・揺さぶる!文章を書く』(山田ズーニー)が課題でした。「書く」ことがテーマで、「上司を説得」「お願い」「議事録」など事例をあげて解説されています。
でも本書の肝は、その「書くこと」の元となる「自分の考え」や「何のため」など、深い部分を掘り起こす作業から始めていること。「自分発見」の一冊でもあります。
管理人の読書メモ
P.23 自分以上にいいものを書く必要はない。しかし、自分以下になってはいけない。だからこそ、書くために必要なのは、「考える」ことだ。
P.31 私たちが、仕事や日常で書く文章は、考えれば、読み手や目指す結果がはっきりしたものが多い。まず、ゴールを明確にすること。そして、ゴールから逆算して必要なことを、必要なレベルまでやればいい。
P.33 読み手に、共感・納得・発見などの心の動きが生まれれば、やがてそれは読み手の大きな振動となって、読み手自身の潜在力を揺さぶり起こすだろう。
P.91 書くためには、よく見なければならない。自尊心がバラバラと崩れるまでに、痛いまでに。自分の都合とはまったく関係なく生き、動いている他者を、社会を、見ることだ。自分の立場を発見するとは、世界の中の小さな自分を発見し、その生かし方を研究することだ。
P.98 多くの問題は、正しいことが正しいとわかっていても、どうしようもなく起きてしまう。(中略)だから、正論を押し付けても意味がないのだ。
P.119 例えば、死刑制度に賛成している人が、賛成者の賛成理由だけを集めて論拠にしても、反対者の心は動かない。反対者の反対理由を押さえてはじめて説得がはじまる。
P.173 詫び状を書くたびに、気づかされるのは、どんな状況でも必ず何か自分に非がある、原因のない失敗はないということだ。
感想など
「お願い」「お詫び」のメールなどは、仕事をしていれば日常的に書いているのではないでしょうか。「読み手の立場に立って」「読み終わってどんな気持ちになって欲しくて」「具体的にどんな反応が欲しいのか」、つまり「ゴール」をしっかり考え抜いているのか。
案外、軽率なメールを送ってしまったばかりに、相手の心象を余計に悪くしたり、誤解やミスを引き起こした記憶もよみがえってきて、読みながら恥ずかしい思いもしたり。
また、次の部分などは「書く」に限らず「話す」など「表現する」全般に言えること。耳が痛いです。
P.235 常に読み手にとって心地よいことを書いていけば、相手に嫌われないが、それでは書く意味を見失い、読む側の興味も失せてしまう。
これに続く1ページが本書の締めくくりであり、私が一番「揺さぶられた」部分でした。自分に正直に、且つ相手との関係を築くという箇所、心に残りました。そのまま引用します。
P.236 相手という個性に、自分として向き合ったとき、自分の中に湧き起こってくるものがある。その相手だからこそ言いたいこと。自分にしか言えないこと。そういうものに、私たちはもっと忠実になっていいと思う。
多くの場合、それは自分と相手のギャップによって生じるメッセージだから、ときに相手に歓迎されず、違和感やざらつきを与えるかもしれない。
それでも違和感という形で、ときに反発という形で、相手の潜在力を揺り動かすことができれば、相手を生かし、自分を相手の中に生かしたことに他ならない。
自分にしか書けないもので、互いの潜在力が生かされるとき、相手とのあなたが出会ったことは意味を持つ。あなたが書くものは、相手にとってかけがえのない意味を持つのである。
読んだ皆さんはいかが でしたか?
読書会で話題にあがった本が2冊あったので、シェアします。