【開催報告】『GRIT やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』(アンジェラ・ダックワース)
やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
- 作者: アンジェラ・ダックワース,神崎朗子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/09/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今朝の課題は『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』(アンジェラ・ダックワース)でした。
結果を出すのは才能か努力か、生まれ持っての資質か環境か。心理学・脳科学の知見と、多くのエピソードや調査・インタビュー、著者自身の経験もまじえて「やる抜く力」の重要性から伸ばし方まで網羅した一冊。一つのテーマながら、最後まで面白く読み通せる本です。
管理人の読書メモ
P.33 しかもこの研究では、SAT(学力診断)のスコアと「やり抜く力」は逆相関の関係にあることがわかった。
P.60 人間のとてつもない偉業も、実際は小さなことをたくさん積み重ねた結果であり、その一つひとつは、ある意味、「当たり前のこと」ばかりだということ。
P.122 ひとりの子どもが上手になれば、一緒にプレーする子どもたちの学習環境は必然的に向上する。バスケがうまくなるコツは、自分よりややスキルの高い仲間と一緒にプレーすることなのだ。
P.169 「エリクソン教授、私は18歳のときから週に数回、1時間のジョギングを行っています。でも、ちっとも速くならないんです。・・・」
(中略)「わかりましたよ。あなたが上達しないのは、意図的な練習(deliberate practice)をしていないからです」
P.204 「やり抜く力」の鉄人が、自分の目指していることには「目的」があると言うとき、そこにはたんなる「意図」よりも、もっと深い意味が込められている。(中略)つまり「目的」という言葉の中心的な概念は、「自分たちのすることは、ほかの人びとにとって重要な意味を持つ」ということになる。
P.233 楽観主義者は自分の苦しみは一時的で特定の原因があると考えるが、悲観主義者は自分の苦しみを変えようがない原因のせいにして、自分にはどうすることもできないと考えてしまう。
P.362 だから、始めたことはなんでもかんでも最後まで続けようとすると、もっと自分に合っていることを始める機会を見失ってしまう可能性が高い。なにかをやめて、もっと簡単なことを始める場合もあるかもしれないが、自分にとってもっとも重要なことにだけは、しっかりと関心を持ち続けるようにしたい。
感想など
本書は3部構成になっていて
1.「やり抜く力」とは何か?なぜそれが重要なのか?
2.「やり抜く力」を内側から伸ばす
3.「やり抜く力」を外側から伸ばす
の順に説明されます。とにかく実験・調査、インタビュー、体験談などのエピソードが多く、雑学的にも楽しめる本です。
そもそも、自分が「やり抜く力」がどれくらいあるのか。本書P.83には「グリット・スケール」という簡単なチェックシートが掲載されています。数分でできるので、まずはこのセルフチェックが有効かと。
投資家バフェットが説く「目的達成法」や「成長思考」「やり抜く力」を伸ばす表現も(その逆の妨げる表現も)表にまとめられていたり、学術だけに偏らない実践的なところもよいです。
個人的には、ただ続けるだけでは意味がなく「意図的な練習」が重要、というあたりが心に残りました。皆さんはどうでしょう。