【開催報告・藤が丘】『タイタンの妖女』(カート・ヴォネガット・ジュニア)|名古屋で朝活!!朝活@NGO
- 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,和田誠,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/02/25
- メディア: 文庫
- 購入: 28人 クリック: 109回
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藤が丘の朝食読書会は日曜の朝8:30から。今月の課題本は『タイタンの妖女』(カート・ヴォネガット・ジュニア) でした。爆笑問題の太田光さんが「死ぬまでにこれを読め!!」の1冊として取り上げていて、事務所名の「タイタン」は本書が由来だそうです。
『人生の目的はどこのだれがそれを操っているにしろ、手近にいて愛されるのを待っている誰かを愛することだ。』
(本書より)
SFなんですが、全編にナンセンス、ユーモアが散りばめられている中に、宗教や生きる目的、自由意思や愛とか深い哲学を感じます。
《時空を超えたあらゆる時と場所に波動現象として存在する、ウィンストン・ナイルズ・ラムファードは、神のような力を使って、さまざまな計画を実行し、人類を導いていた。その計画で操られる最大の受難者が、全米一の大富豪マラカイ・コンスタントだった。富も記憶も奪われ、地球から火星、水星へと太陽系を流浪させられるコンスタントの行く末と、人類の究極の運命とは?巨匠がシニカルかつユーモラスに描いた感動作。 》
(アマゾンより)
大富豪だったコンスタントは、記憶を消され、火星、水星に行かされ、なぜか火星の衛星「タイタン」に向かいます。そのタイタンで、この宇宙や地球、人類が生まれた意味が解き明かされるのですが、あまりに理不尽、不条理なオチなのです…。でも、どんなに意味のないように思える人生、あるいはどんなに不完全で欠陥だらけの人間であっても、愛情、友情に気づいて、生きる意味はあるって思える、美しく心温まるエンディングです。
読書会では賛否両論の本作、コアなSFファンにはあまり受けがよくないらしいのも分かる気がします。
また聖書や古典小説など、欧米人の「常識」的な知識があると、さらに面白く読めるのかも。ただ、荒唐無稽なストーリー、深みのある暗喩とか、小説としての面白みもあるので、SF苦手な方にこそお勧めですよ。
- 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,和田誠,浅倉久志
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