名古屋で朝活!! 朝活@NGO|朝食読書会・もくもく勉強の会

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【開催報告・栄】朝食読書会『 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること 』(河合 雅司)

 

 今月の栄、朝食読書会の課題は『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(河合雅司)が課題でした。

  少子化、超高齢化、勤労世代の激減、その3つが絡み合う複合要因。ドラッカーも指摘しているように、戦争などの特殊要因がなければ、人口動態の変化は比較的予想ができる分野。本書の「未来の年表」は、かなり正確に起こる未来図です。

 いつもは写真ですが、今回は参加者によるマンガ、これメンバーの雰囲気まで掴んでてびっくりです。ありがとうございます!

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管理人の読書メモ

2015年時点において1億2700万人を数えた日本の総人口が、40年後には9000万人を下回り、100年も経たぬうちに5000万人ほどに減る。

 

日本の喫緊の課題を改めて整理するなら4点に分けられる。1つは、言うまでもなく出生数の減少だ。2つ目は高齢者の激増。3つ目は勤労世代(20~64歳)の激減に伴う社会の支え手の不足。そして4つ目は、これらが絡み合って起こる人口の減少である。

 

内閣府の「高齢社会白書」(2017年版)によれば、2012年に462万人だった認知症患者は、2025年には730万人(65歳以上人口の約20.0%)、2060年には1154万人(同33.3%)になるとも推計されているのだ。

 

とりわけ深刻なのが社会保障制度である。ひとり暮らしの激増を織り込んでいないからだ。

 

実際に献血する人は年々減り続けると見込まれており、2013年の年代別献血率のまま推移すると仮定すると、2027年の献血者数は延べ約459万人にとどまり、差し引き約86万人分が不足する事態に陥るのだ。

 

野村総合研究所の試算(2016年)によれば、2033年には総住宅数は約7126戸へ増大し、空き家数は2167万戸弱、空き家率は30.4%にまで上昇するという。つまり、全国の約3戸に1戸が空き家となってしまうのである。

 

2035年になれば、男性は29.0%で3人に1人、女性は19.2%となり5人に1人が生涯結婚しないという「未婚大国」が誕生となる。1970年の生涯未婚率は男性1.7%、女性も3.3%に過ぎなかった。

 

2040年までに、全国の自治体の半数が将来的な「消滅」の危機にさらされる

 

政府内に、外国人労働者の大量受け入れや永住権付与の緩和を推し進めようとの動きが強まっているが、日本人が激減する状況においていたずらに外国人を受け入れたならば、日本人のほうが少数派となる市町村や地域も誕生するだろう。

 

どうせ縮まざるをえないのならば、切羽詰まってから対策を考えるより、時代を先取りし、小さくともキラリと輝く国を自分たちの手でつくりあげたほうがよい。

 

感想など

 誰もが自分のこととして読める本ですが、今回の読書会では、特に家庭の状況や世代間によって、関心度の違いや見解の違いが大きいのが印象的でした。予測とはいえ、かなり確度の高いデータかと思われるので、議論のベースになるし、ディスカッション向けの本だと思います。年表に、自分や家族の年齢を入れてみると、リアルさが増すのでおすすめです。

 『Life Shift』に象徴されるように、人生100年時代に生きるわれわれが、前の世代の価値観や生き方とは違った人生を、特に60歳以降の長い「老後」をどう生きるのかは、切実な課題だと思います。その時の環境の変化が未来の年表としてまとまっているので、ぜひ一度手に取ってみては。自分や家族のことを、しっかりと考える機会になりますよ。

 

 9月の栄は「空気の研究」(山本七平が課題です。少し前の流行語にもなった「忖度(そんたく)」や、NHKの特集でも話題だったインパール作戦など、すべてこの「空気」のせいです。空気を読めとは言われるものの、その場の空気に流されて思考停止になりがちな日本人。古い本ですが、いまだに読み継がれる名著です。