【開催報告・藤が丘】朝食読書会『日本の美を求めて』 (東山魁夷)|名古屋で朝活!!朝活@NGO
今朝は『日本の美を求めて』(東山魁夷)、課題にするのは2回目のエッセイ集。今回は豊田市美術館で開催中の『東山魁夷 唐招提寺障壁画展』に合わせて課題に選んでみました。
管理人の読書メモ
P.15 風景とは何であろうか。私達が風景を認識するのは、個々の眼を通して心に感知することであるから、厳密な意味では、誰にも同じ風景は存在しないとも言える。ただ、人間同士の心は互いに通じ合えるものである以上、私の風景は私達の風景となり得る。
P.29 しかし、私の風景の中に人物が出てくることは、まず無いと言ってよい。その理由の一つは、私の描くのは人間の心の象徴としての風景であり、風景自体が人間の心を語っているからである。
P.33 死は誰しも好ましくないに違いないが、自分に与えられた生を大切にして、同時にひとの生をも大切にして、その生の終りの時、大地へ還って行くことは幸いと思わねばならぬ。それは、私が庭の木の一枚の葉を観察して得た諦観と言うよりは、一枚の葉が生と死の輪廻の要諦を、私に向かって語ってくれた言葉なのである。
P.57 さて私は、御影堂の障壁画を描くにあたりまして、なにを描くべきか、いろいろ考えましたが、やはり、この日本の風景の二つの風景の大きな要素である山と海によって、(鑑真)和上がごらんになれなかった日本の風景をお描きしてお慰め申し上げる、そういう気持ちとともに、また、和上の徳の高さを山にたとえ、精神の深さを海にたとえて、その山と海によって障壁画を描くのがよくはないかと考えたのです。
感想など
画集を持ってきていただいた参加者もいらっしゃったので、しばし東山魁夷の絵をパラパラと。日本画とはいえ、ドイツの町並みや城、有名な『緑響く』のように白馬を描いたものなど、女性的で洋画風なものも多く、優しい眼差しを感じます。中でも、青と緑の色あいが独特で霧や霞のような湿り気を感じる風景画に、東山魁夷らしさがあるように思います。
エッセイから「鑑真」「輪廻」「奈良」「万葉」など、どちかというと大陸的、仏教的な、大らかな自然観が伝わってきます。部屋の中で描かれたようなものではない、臨場感あふれる東山魁夷の作風のヒントが分かった気がします。
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