【開催報告・伏見】『論語』(角川ソフィア文庫など) |名古屋で朝活!!朝活@NGO
論語 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典<ビギナーズ・クラシックス 中国の古典> (角川ソフィア文庫)
- 作者: 加地伸行
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川学芸出版
- 発売日: 2012/11/05
- メディア: Kindle版
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この4月で朝活@NGOは7周年。そして4月10日の朝食読書会がちょうど500回目の朝活となりました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!記念の色紙も嬉しい!
記念すべき500回目の節目は、『論語』を課題にしてみました。「巧言令色」「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」「可も無く、不可も無し」など、『論語』由来の慣用句、四文字熟語も多く、日本の道徳の源流の一つが孔子の説く儒教ということが理解できます。
また、ビギナーズ・クラシックス版は『論語』や孔子の解説・紹介にページを多く割いているので、『論語』に初めてふれる方には最適だと思います。
管理人の読書メモ
P.40 儒教の「汎愛・博愛」は、広くだれに対しても平等に愛するというような、いわばキリスト教における神のような愛しかたとは違います。
まず、親を愛し、兄弟姉妹を愛し……家族を愛しつくしたあと、友人など近くの人を愛し、というふうに、順番に相手を広げてゆくという意味での「汎愛・博愛」なのです。
P.52 法の適用は大切だが、もっと大切なことがある、と。それは、道徳を身につけることです。道徳に従って生活すると、法はやむをえないときだけに適用すればすむわけです。
P.69 教養人(君子)とは、知識人(小人)であって、さらにその上に人格的にすぐれている人のことです。知識人はただ知識があるだけで、判断する力、構想する力、徳性、人間的魅力……要するに人間性・人格性が必ずしも伴っていない人のことです。
P.128 つまり、①祖先の人々を慰霊すること(過去)、②親を愛すること(現在)、③子孫一族が続いてゆくこと(未来)、この三つをあわせて孝とするのが儒教なのです。
P.142 この先祖供養は本来儒教的なものであり、インド仏教にはありません。
P.178 子曰く、徳有る者は、必ず言(げん)有り。言有る者は、必ずしも徳有らず。
(現代語訳)老先生の教え。人格の立派な人物ならば、そのことばはきっと優れている。しかし、いいことを言う者は、必ずしも人格が立派ではない。
P.208 厩(うまや)焚(や)けたり。子 朝(ちょう)より退く。曰く、人を傷つけたるか、と。馬を問わざりき。
(現代語訳)老先生の邸の馬小屋が焼けたことがあった。先生が政庁より帰られたとき、「だれか怪我はしなかったか」とおたずねになった。しかし、馬のことはなにもおたずねにはならなかった。
P.251 孔子曰く、命(めい)を知らざれば、以(もっ)て君子と為る無きなり。礼(れい)を知らざれば、以て立つ無きなり。言(げん)を知らざれば、以て人を知る無きなり。
(現代語訳)孔先生の教え。自分に与えられた運命を覚らない者は、教養人たりえない。社会規範を身につけていない者は、人の世を生きてゆくことはできない。ことばについて理解できない者は、人間を真に理解することはできない。
感想など
改めて、日本人の行動規範としての『論語』を再認識できました。人との関わり方、道徳、模範となる生き方など、日本人の場合、かなりの部分は『論語』の説く儒教思想に負うところが大きいことがよく分かります。神道、仏教、あるいはキリスト教との違いなども理解できて、ぼんやりとしていた儒教の教えが明確になってきました。
また、生涯を通じて良い弟子・生徒に恵まれた孔子の魅力も伝わってきて、今後『論語』を再読する際に役立ちそうです。
ビギナーズ・クラシックスの場合、解説の方の思い入れをひしひしと感じますね。おすすめです。
来月の伏見は5月15日(月)、話題の新書『応仁の乱』が課題です。お楽しみに!