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【開催報告・伏見】 『学問のすすめ』(福澤諭吉)|名古屋で朝活!!朝活@NGO

 

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

 

  今月の伏見は名著『学問のすすめ』(福澤諭吉)が課題です。斎藤孝による現代語訳が読みやすいので、今回はこちらを課題にしてみました。 

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管理人の読書メモ

P.23 文字を読むことを知っているだけで、物事の道理をきちんと知らないものは学者とは言えない。いわゆる「論語読みの論語知らず」というのはこのことである。

 

P.32 ある国の暴力的な政治というのは、暴君やとんでもない官僚のせいばかりではない。その大元は、国民の無知が原因であって、自ら招いたわざわいとも言える。

 

P.41 独立の気概がない者は、必ず人に頼ることになる。人に頼るものは、必ずその人を恐れることになる。人を恐れる者は、必ずその人間にへつらうようになる。常に人を恐れ、へつらう者は、だんだんとそれに慣れ、面の皮だけがどんどん厚くなり、恥じるべきことを恥じず、論ずるべきことを論じず、人を見ればただ卑屈になるばかりとなる。

 

P.100 主人のために、といい、主人に対して申し訳ない、といってただ一命をさえ捨てればいいと考えるのは、非文明社会の常だけれど、いま、文明の道理をもってこれを論ずれば、これらの人は命の捨てどころを知らない者というべきだ。

 

P.163 およそ人間には、いろいろな欠点があるものだが、人間社会において最大の害があるのが、「怨望(他人の幸福をねたんだり、うらむこと)」である。(中略)他人のようすをみて自分に不平をいだき、自分のことを反省もぜすに他人に多くを求める。そして、その不平を解消して満足する方法は、自分に得になることではなく、他人に害を与えることにある。

 

P.193 信じる、疑うということについては、取捨選択のための判断力が必要なのだ。学問というのは、この判断力を確立するためにあるのではないだろうか。

 

P.229 交際の範囲を広くするコツは、関心をさまざまに持ち、あれこれをやってひとところに偏らず、多方面で人と接することである。(中略)人間のくせに、人間を毛嫌いするのはよろしくない。

感想など

 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」で有名は本書は、平等を説いたものではありません。不平等な世の中で人の差がつくのは、生まれた時の貧富、家柄、貴賎によってではなく、「学ぶか、学ばないか」によって決まるという福澤諭吉の考えを、いろいろな読者を想定して、繰り返し説いたものをまとめたのがこの『学問のすすめ』です。

 慶応義塾大学の創設者という側面から、学者らしい文を想像して読み始めると、あまりにざっくばらんとした、豪放磊落な語り口に驚きます。教育者らしからぬ、人間臭い面は、彼の『福翁自伝』を読むとよく分かります。

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

 

  男女平等を説くくだりも、愛人を否定するのに

ある人は言うかもしれない。「妾を複数持っても、きちんとした対処をしていれば、人情を害することはない」と。これは男性方ご自身の説である。もしそうなかば、一人の妻に複数の男を養わせ、これを男妾(だんしょう)と名づけて、家の中でも夫として待遇したらどうだろう。

 この時代に、なかなか言えることでないし、かなり挑発的な言い方ではないですか。ユーモアすら感じる気概のある名文の数々。時代背景は古いものの、主張自体は十分に現代にも通じるものばかり。さぞ革新的な文章だったのではないでしょうか。

 

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)