名古屋で朝活!! 朝活@NGO|朝食読書会・もくもく勉強の会

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【開催報告】『機会発見 生活者起点で市場をつくる』 |名古屋で朝活!!朝活@NGO

 

機会発見――生活者起点で市場をつくる

機会発見――生活者起点で市場をつくる

 

  今月、栄の朝食読書会は『機会発見――生活者起点で嗜好をつくる』(岩嵜博論)が課題でした。機会発見とは、「枠外の視点を探索して、統合・構造化によって新しい市場の可能性を創出する」アプローチです。全体のプロセスは「課題リフレーミング」「定性調査」「情報の共有と整理」「機会フレーミング」「機会コミュニケーション」の5つのステップで進められます。

  それぞれのステップはちょっと聴きなれない用語なのですが、本書で丁寧に解説されています。

管理人の読書メモ

P.44 定性調査を通じていろんな人から話を聞いたり、生活の現場に赴くときには、どんな人からも学べるというオープンな姿勢で臨もう。自分の価値観を押し付けることなく、生活者の発言や行為を興味深く受け入れられる懐の深さを持つことで、機会発見において不可欠な「枠外の視点」に出会うことができる。

P.45 共感した先にあるのは「面白がり力」だ。

P.52 機会発見はただ情報収集し、学習(ラーン)するのではなく、半ば強制的に枠外の視点を取り入れることで、一度ラーンしてしまった固定観念をアンラーンしていく(取り外していく)ことを常に意識する。

P.106 日記調査を通して一人ひとりの生活様式にまで目を向けることで、同じヨーグルトでも異なる価値が期待されていることに気づくことができるだろう。このように、人となりと行動を合わせて考察することは、対象者がなぜそのような行動をとっているかを、生活の背景情報とともに深く理解することにつながるのだ。

P.217 意思決定者や組織のステークホルダーの心を動かすには、物語の力が必要であり、その物語を構成するのがリアルな顧客像と、こんな生活がありそうと思えるストーリーだ。

 感想など

 日常の業務においては、例えば「データを分析して業務・サービスを改善する」「効率よく仕事を進めるように工夫する」「ミスの無いような仕組みを作る」などのように、既にある仕事を上手くこなすようにしていく活動が多いと思います。「機会発見」はそうではありません。

P.12 複雑化・成熟化した市場においても、物事を計量的・分析的に操作する方法によって、カイゼン的に「いまよりいいもの」を生み出すことは十分可能だろう。だが企業の成長に真に寄与する「いままでにないもの」、つまり革新的な製品・サービスを開発し、新しい市場をつくるには、機会発見アプローチが必要だ。

 何か新しいジャンル、事業を考えるときの手順が解説されていて、単なる思いつきや「属人的で再現性が低い」ものに終わらせず、「機会発見という考え方を形式知化」した一冊です。漠然と「イノベーション」「新分野の開拓」といったテーマで事例を並べている読み物ではなく、理路整然と「新規市場の作り方」を解説してあって、今までにないジャンルのビジネス本のように感じました。

 経営環境が目まぐるしく変わる時代に、「いままでにないもの」をどうつくるか、大切なテーマだと感じました。