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【開催報告】『勝ち続ける意志力』(梅原大吾) |名古屋で朝活!!朝活@NGO

 

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)

 

 栄の朝食読書会、今月は『勝ち続ける意志力』(梅原大吾)が課題でした。
 2010年ギネスブックに「世界でもっとも長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」に認定されるなど、格闘ゲームの世界では国内外に多くのファンを持つ梅原氏。彼自身のこれまでの歩み、成長を綴った本書は、頂点を極め続けることの喜びと難しさを率直に表現していて、読み応えがあります。

 「勝つことと勝ち続けることは違う」「自分らしいスタイルは追及しない」「喜びすぎず落ち込みすぎない」など、彼の勝負哲学から語られる言葉は刺激的です。

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管理人の読書メモ

P.14 「結果を出す」ことと「結果を出し続ける」ことは根本的に性質が異なる。結論から言えば、勝つことに執着している人間は、勝ち続けることができない

P.50 当日はプロ・ゲーマーという選択肢はなかったけれど、プロがあったとしたら、そこを目指せるだけの努力をしようと思っていた。野球とかサッカーでプロを目指している人と同じくらい、彼らと比べても恥ずかしくないくらいの努力をしようと思っていた。

P.51 僕にとって何が自信につながったかと言えば、それはゲームの上手さや強さではなく、苦手なものを克服しようとしたり、あえて厳しい道を選んだりする自分の取り組み方、高みを目指す姿勢を貫けたという事実があったからだ。

P.56 他人から「ウメハラの良さはここ」と言われると、それをことごとく否定し、指摘されたプレイは極力捨てるようにしてきた。そもそも勝負の本質は、その人の好みやスタイルと関係のないところにある。勝つための最善の行動を探ること。それこそが重要なのであって、趣味嗜好は瑣末で個人的な願望に過ぎない。

P.66 本質的な強さとは、相手の動きが読めてもそこを突かず、己の実力で勝つことで磨かれていくものだ。

P.75 流行もあるだろう。だが、流行の先に待つのは決まって、流行する以前以上の退廃だ。

P.88 本当に小さくて些細なことだけど、いつもと違う帰宅路を歩いてみるとか、定番から外れたメニューを食べるとか、普段使わない駅に降りてみるとか。

P.92 あえて嫌いな人に挑戦することで、その苦手意識を克服したいと思う。

P.99 自分を変えるとき、変化するためのコツは、「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ということだ。

P.140 何かを見につけたいと思うのであれば、丁寧に、慎重に、基本を学ぶべきだ。

P.191 大会に勝って大喜びしたり、負けて落ち込んだりするのは右肩上がりの成長の邪魔だと考えている。

P.193 目標に過ぎない大会に固執せず、目的である自身の成長に目を向けている。
 
 「勝つため」ではなく「勝ち続けるため」の本というところに本書の価値があります。当然小手先のテクニカルなものではなく、彼の人間としての成長も含めた半自叙伝でもあります。それこそ生き方に迷いながらも「すべてを犠牲にして」ゲームに没頭していた頃から、他の仕事も経験した上で少し距離を置いてゲームと向き合うところまで、彼なりに辿りついた人生観が飾りなく語られています。

 同じく頂点に立ち続けるイチロー選手と対照的に思えたのは、梅原氏の場合ゲーム以外の日常生活においても「毎日変化する」ことを心がけているという点で、ルーティンを儀式のように続けるイチロー選手とは違った意味のストイックさを感じました。毎年のようにゲーム自体が変わる世界なので、「勝つこと」ではなく「勝ち続けること」にこだわれば、常に変化し続けることこそが「正しい努力」である、と。

 もう一つ印象的なのが、相手の弱みを見つけたり、そこを突いたりすることはしないこと。一回一回の勝ち負けに執着するのではなく、あくまで自分の成長に注目するというのは、安定した長期的な優位性を保つための大事な視点なのですね。
 
 勝ち続けること、それも自分が少しでも向上することを目指した求道心に興奮させられます。ゲームをしない方にもおすすめです。