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名古屋で朝活!! 朝活@NGO|朝食読書会・もくもく勉強の会

朝活@NGOのブログ。 名古屋駅(名駅)・伏見・栄・藤が丘のカフェで「朝食読書会」「もくもく勉強の会」を定期的に開催しています。 ビジネス書著者を招いてイベントも開催。 朝時間を活用して、素敵な1日に!

【開催報告】『李白』(角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)|名古屋で朝活!!朝活@NGO

李白 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

李白 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

 

  伏見の朝食読書会は古典・ロングセラーから中心に選書。今回の課題は角川ソフィア文庫のビギナーズ・クラシックシリーズから李白でした。「漢詩を読むのは学生の時以来」という参加者が中心で、改めて漢詩の響きや詩情を味わう機会となりました。

 

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管理人の読書メモ

南北漫遊(北から南まで好きなように歩き回り、)
求仙訪道(仙人や道士を尋ねて道教の奥義を求め、)
登山臨水(山に登り水辺に遊び、)
飲酒賦詩(酒を飲み詩を作る。)
 李白を称したこの四字四句は、なるほど、彼の一生の特色を、実にうまくまとめたものだと感心させられます。

 

李白の詩は、十のうち九までが酒と女を歌ったもので、識見汚下(下品で、知性的でない)」と批判されています。そうした批判は根強く続きますが、それにもかかわらず、より多くの人に愛される部分は、人間の本音や庶民的な生活感情を、多彩かつ抒情的に歌ったこの種の楽府詩なのです。

 

李白が、山にこもる暮らしを美化するのは、幼時からなじんだ道家的生活へのあこがれがあったからですが、それにもまして「人間(じんかん・政界や俗世間)」からの退却と逼塞を余儀なくされて、疲れた翼を休める隠れ家としたかったからでしょう。

 

感想など

 ディスカッションでは、

・純粋に詩としての文学的な味わい

・身分や地域を超えて活躍した「食客」として、詩人「李白」が果たした社会的・政治的な役割

・「酒」「女」「月」「故郷」を諸国漫遊しながら詠んだ李白の人となり

・日本文化・文学への影響

 

など。学校の教科書ではなく詩として向き合うと、豊かな情景や庶民、特に女性の心情、郷愁や孤独など心に沁みる作品が多く、有名な『月下独酌』などは李白のように酒を飲みながら読み返したい詩でした。

 「詩仙」と称えられる李白ですが、文学的な意味合いだけでなく、遠方の地域に関する知識や庶民の生活への理解など、当時の権力者が「食客」として李白を必要とする視点も知れて、広がりのあるディスカッションでした。このあたりは日本各地を諸国行脚していた僧侶や、古来日本で見られた「まれびと」を歓迎する風習にも通じるように感じました。

 個人的には、李白が日本文化に与えた影響に興味があり、身近なところで国宝「犬山城」が別名「白帝城」で、それは李白『早発白帝城(つとにはくていじょうをはっす)に由来していることなども新たな気づき。

 また、好きな詩として挙げられた『静夜思』から、百人一首にも選ばれた和歌への影響も感じられました。

『静夜思』

牀前看月光
疑是地上霜
擧頭望山月
低頭思故郷

牀前(しょうぜん) 月光を看る
疑らくは是れ地上の霜かと
頭(こうべ)を挙げて 山月を望み
頭を低(た)れて 故郷を思ふ

 

朝ぼらけ 有明の月と みるまでに
吉野の里に ふれる白雪
 ー 坂上是則百人一首 31番・『古今集』より)

【意味】明け方の空がほのかに明るくなってきた頃、有明の月かと思うほど明るく、吉野の里に白々と雪が降っている。

 

 ディスカッションで本来の中国語の響きも話題になりましたが、こちらのサイトで音声が聴けます。

⇒ 李白 漢詩の朗読

 同時代の杜甫などもビギナーズ・クラシックでは刊行されているので、またいつか採りあげたいと思います。