【開催報告】『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ』(岸見一郎、古賀史健)|名古屋で朝活!!朝活@NGO
今月の栄、朝食読書会は『幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII』( 岸見一郎、古賀史健)が課題でした。前作『嫌われる勇気』が 100万部を突破し、未だに読まれ続けている大ベストセラーですが、本作も引き続き哲人と青年による会話によってアドラーの思想を探究していく内容。
前作でアドラー心理学の考え方を学んだ青年が、担任を受け持つ学校の授業で実践しようとしたところ、完全に失敗してしまった体験を哲人にぶつけるというストーリーです。
管理人の読書メモ
P.33 「あなたは他者の期待を満たすために生きているのではない」。そして「他者もまた、あなたの期待を満たすために生きているのではない」と。
P.48 尊敬のボールは、自らがそれを投げた人にだけ、返ってくるものだと。
P.51 「他者の関心事」に関心を寄せるのです。
P.73 われわれが語り合うべきは、まさにこの一点。「これからどうするか」なのです。「悪いあの人」などいらない。「かわいそうなわたし」も必要ない。
P.90 問題行動の第一段階、それは「賞賛の要求」です。
P.137 子どもたちを競争原理のなかに置き、他者と競うことに駆り立てたとき、なにが起こると思いますか?……競争相手とは、すなわち「敵」です。ほどなく子どもたちは、「他者はすべて敵なのだ」「人々はわたしを陥れようと機会を窺う、油断ならない存在なのだ」というライフスタイルを身につけていくでしょう。
P.204 われわれは、「自分のことを信じてくれる人」の言葉しか信じようとしません。「意見の正しさ」で相手を判断するのではないのです。
P.219 他者からの尊敬を待つのではなく、自らが尊敬を寄せ、信頼を寄せなければなりません。……心の貧しい人間になってはいけないのです。
P.227 「落ちる」だけの愛なら、誰にでもできます。そんなものは、人生のタスクと呼ぶに値しない。意思の力によって、なにもないところから築き上げるものだからこそ、愛のタスクは困難なのです。
P.267 われわれは運命の下僕になってはいけない。運命の主人であらねばならない。運命の人を求めるのではなくて、運命といえるだけの関係を築き上げるのです。
感想など
今月の名駅も同じ課題本でしたが、参加者が変わればディカッションはまた違った印象でした。前作の『嫌われる勇気』との比較について、「『嫌われる勇気』がアドラー心理学の地図とすれば、本作『幸せになる勇気』がコンパス的な役割」というWEB記事の紹介もいただいて、この2作の役割をとてもよく表しているように感じました。
また、名駅の会場でも紹介されたNHKの『100分で名著』の放送について、今回も本と合わせて観ると理解が深まるという感想がありました。冊子はこちらです。
アドラー『人生の意味の心理学』 2016年2月 (100分 de 名著)
- 作者: 岸見一郎
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2016/01/25
- メディア: ムック
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名駅の時と比べて、今回のディスカッションの方が賛否両論の差が大きかったようでした。
・「三角柱」の例え話が分かりやすく印象的だった。
・「問題行動の5段階」を読んで、思い当たる人がいて納得した。
・「課題の分離」など、なかなか納得できないものもある。
・いくら関わろうとされても、人は自分でしか成長できないと感じる。
など。
理論としては理解できても、実践は難しいアドラーの教え。固定した知識ではなく、考え続ける哲学そのもののような一冊です。『嫌われる勇気』と合わせて読むと、より実践に近づけそうです。