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名古屋で朝活!! 朝活@NGO|朝食読書会・もくもく勉強の会

朝活@NGOのブログ。 名古屋駅(名駅)・伏見・栄・藤が丘のカフェで「朝食読書会」「もくもく勉強の会」を定期的に開催しています。 ビジネス書著者を招いてイベントも開催。 朝時間を活用して、素敵な1日に!

【開催報告】朝食読書会『赤めだか』(立川談春)|名古屋で朝活!!朝活@NGO

 

赤めだか (扶桑社文庫)

赤めだか (扶桑社文庫)

 

   

赤めだか (扶桑社BOOKS文庫)

赤めだか (扶桑社BOOKS文庫)

 

  今回の朝食読書会は「今最もチケットが取りにくい落語家」立川談春のエッセイ『赤めだか』が課題でした。

  立川談春は2015年TVドラマ『下町ロケット』への出演も話題で、以前には『情熱大陸』でも取り上げられた落語家。このエッセイは単行本が出版された2008年に講談社エッセイ賞を受賞した作品です。

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管理人の読書メモ

P.16 『落語とは人間の業(ゴウ)の肯定である』

 

P.43 お前は俺に惚れて落語家になったんだろう。本気で惚れてる相手なら死ぬ気で尽くせ。サシで付き合って相手を喜ばせられないような奴が何百人という客を満足させられるわけがねェだろう。

 

P.72 たとえ前座だってお前はプロだ。観客に勉強させてもらうわけではない。あくまで与える側なんだ。そのくらいのプライドは持て。

 

P.76 「あのなあ、師匠なんてものは、誉めてやるぐらいしか弟子にしてやれることはないのかもしれん、と思うことがあるんだ。」

 

P.81 「先へ、次へと何かをつかもうとする人生を歩まない奴もいる。俺はそれを否定しない。芸人としての姿勢を考えれば正しいとは思わんがな。つつがなく生きる、ということに一生を費やすことを間違いだと誰が云えるんだ。」

 

P.211 これからお前達は世の中へ向かって落語を語り込んでゆくんだ。決して落語だけを愛する観客達の趣味の対象になるんじゃねェ。

 

P.229 落語はもはや伝統ではありません。個人です。演者そのものを観に来る時代になっているのです。

 

P.229 あまり落語家と付き合うな。

 

P.249 談志(イエモト)を喜ばす知恵を絞れない弟子は、それはやっぱり罪だと思う。

 

P.281 短所は簡単に直せない。短所には目をつぶっていいんだよ。長所を伸ばすことだけ考えろ。

感想など

  あまり馴染みのない落語家の世界。読書会の参加者でも、寄席に落語を見に行ったことがない方がほとんど。タレント的に活動される落語家も多く顔や名前くらいは知っていても、テレビでもちゃんと落語を聴く機会が少ないのでは。特に古典落語を一席フルで聴いたことのない方が多かったです。今回の課題本を読んで、初めて落語をYOU TUBEで観たという方もいらっしゃいました。確かに古典芸能は若い層には遠い世界かもしれません。 

 描かれる談志と談春の師弟関係も、今の二十代、三十代の方から見ると随分古い時代のものに感じられるようです。例えばここなどは受け入れられない方も多いかと。

P.52 前座全員入門前に談志(イエモト)から云われている。「修業とは矛盾に耐えることだ」と。

パワハラ」「ブラック企業」という言葉をよく耳にする現代では、落語界ですらも最近は変わってきているとのことですし。  

 ただ、読む前に立川談志に持っていた印象は「エキセントリックな奇才」だったのですが、談春のエッセイを通して感じるのは「芸に対する恐ろしいまでの執念」と「師匠・弟子に対する愛情」でした。弟子を叱る場面も多く、震えながら師匠の前にうなだれる様子もありながら、どこか温かい感じがするのは、談志師匠への尊敬の念と愛情が端々に見え隠れするからだと感じました。

 談志師匠が厳しい口調になるのは、やはり「落語家としてのプライド」と「伝統芸能を継ぐ者としての責任感」、そして「弟子への深い思い」からでしょう。落語協会からの脱退、小さん師匠との決別も、談志ならではの筋の通し方、矜持の表れだと思います。心に響く言葉も多くて、少し長いけれども一部引用します。

P.123 「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱味を口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんです。一緒になって同意してくれる 仲間がいれば更に自分は安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間はなかなかそれができない。嫉妬して いる方が楽だからな。(中略) 現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そう なったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う。…」

 エッセイとしてはとにかくリズム良く、活き活きとした文章で、続きがすぐに読みたいくらい。談春には、他のまとまった著作がないのが残念。これを読んで寄席に行くのもいいと思います。読みやすいので、未読の方はぜひ手に取ってみてください。

 

赤めだか (扶桑社文庫)

赤めだか (扶桑社文庫)

 

 

赤めだか (扶桑社BOOKS文庫)

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