名古屋で朝活!! 朝活@NGO|朝食読書会・もくもく勉強の会

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【開催報告・藤が丘】『コンビニ人間』(村田沙耶香)|名古屋で朝活!!朝活@NGO

 

コンビニ人間

コンビニ人間

 

  今朝の課題は『コンビニ人間』(村田沙耶香)が課題でした。第155回芥川賞受賞の話題作です。

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管理人の読書メモ

P.20 そのとき、私は、初めて、世界の部品になることができたのだった。私は、今、自分が生まれたと思った。世界の正常な部品としての私が、この日、確かに誕生したのだった。

 

P.21 完璧なマニュアルがあって、「店員」になることはできても、マニュアルの外ではどうすれば普通の人間になれるのか、やはりさっぱりわからないままなのだ。

 

P.77 正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除される。まっとうでない人間は処理されていく。

 

P.79 店長は、使える、という言葉をよく使うので、自分が使えるか使えないか考えてしまう。使える道具になりたくて働いているのかもしれない。

 

P.98 いいですか。ムラのためにならない人間には、プライバシーなんてないんです。皆、いくらだって土足で踏み込んでくるんですよ。結婚して子供を産むか、狩りに行って金を稼いでくるか、どちらかの形でムラに貢献しない人間はね、異端者なんですよ。だからムラの奴等はいくらだって干渉してくる。

 

P.115 普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ。

感想など

 コンビニを通して現代の「ムラ社会」的な生き辛さなどを上手く描いた本作。かなり好き嫌いの分かれる作品だと感じます。

 特に最期をハッピーエンドと受け取るかどうかは、はっきりと分かれるのでは。何が「普通」で何が「異常」なのか、価値観を問いかける小説です。

 皆と同じような振る舞いや感情を持たないと、「異常」と見なされ排除される構図は、カミュの名作「異邦人」を思い出しました。

皆さんのオススメ

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